(資料) 新試験に対する総務省の考え方

 総務省は、平成17年の行政手続法改正の趣旨に基づき,「行政書士試験の施行に関する定め」の改正に際して意見を募集し,その内容とこれに対する総務省の考え方を公表しました(平成17年9月29日)。
 この新試験に関するパブリックコメントの結果は, 総務省のホームページで公開 されていますが,印刷しなければパソコンの画面では参照しにくい横型の表組みでまとめられていますので,読みやすいようにまとめ直して紹介することにしました。今年の試験の合格を目指す私たちにとっては,必読の資料だからです。


1 試験期日

●試験実施日について,北海道はかなり厳しい対応が必要と感じています。決まれば淡々と実施してまいりますが,何か良い方策があれば助かります。 (行政書士)

●当地では大学を試験会場として一昨年から借り上げておりますが,「11月の第2日曜日」頃は学園祭が開催される時期であり,会場借上げができなくなるおそれがあります。大きな会場の確保が難しく毎年苦労しています。他の行政書士会も同様に大学を借り上げているところが多数あります。「11月の第2日曜日」でなければならない特段の理由が明らかでないので一概に言えませんが,単に2週間繰り下げただけであれば,7月か8月頃の学生が夏休みで大学の行事と重なることが少ない時期に実施する方がよいと思います。 (行政書士会事務局職員)

総務省回答 1
 現行の試験日(10月の第4日曜日)の属する10月は,「行政書士制度強調月間」に当たり,各都道府県行政書士会では,国民のための無料相談の実施等の社会貢献活動を行っているところです。全国の都道府県知事の委任を受け行政書士試験を実施している指定試験機関「財団法人行政書士試験研究センター(以下「センター」という。)」は,毎年,各都道府県行政書士会の協力により試験事務を行っていることから,今回の改正案では,近年の受験者数の増加,試験時間の拡大を踏まえ,行政書士会の協力を得るべく試験日を10月以外に変更することとし,他方,受験者への配慮として試験日の大幅な変更は避ける観点から,他の資格試験の実施日等の事情も考慮して11月の第2日曜日としたものです。
 なお,総務省としても,行政書士試験の円滑な実施のため,御意見にある会場の確保や降雪への対策等,センターと各行政書士会との間のより緊密な連携・協力は必要と考えており,この点をセンターに要請しているところです。

2 試験回数・試験時間

●試験は年2回行うべきである。理由1.試験合格者を増やすため。理由2.受験生の経済的負担を軽減するため。理由3.60問を年2回作る程度であれば,時間的に十分作成可能であるため。 (行政書士)

総務省回答 2
 近年の行政書士試験受験者数は概ね増加傾向にはありますが,他のいずれの士業についても試験の実施回数は年1回となっていること,現行において試験を年に2回実施しなければ行政書士試験制度の運営に著しい支障をきたす等の事情も認められないことから,今回の改正案においては,試験回数の見直しは行わなかったものです。

●従来の一日試験では時間が足りない。社会人の受験者にも配慮して,土曜日,日曜日の2日間の試験とする。試験日「毎年11月の第2土曜日及び日曜日の2日」,試験時間「1日目は,午前10時から正午まで,午後1時から3時まで。2日目は,午前10時から正午まで」(行政書士)

●司法試験第二次試験短答式試験が60問を3時間半で回答させるものであることに準じて,行政書士試験は70問から75問を3時間半で回答させる試験であることが望ましい。(行政書士)

総務省回答 3
 一般論として,試験時間を拡大すればより緻密に受験者の実力を判定しうるものと考えますが,今回の改正案では,受験者の負担を考慮し,法令に関する理解力,思考力等の法律的素養(以下「法的思考力等」という。)を一層問う等の改正趣旨を達成するために必要な最小限度の時間拡大に留めているところです。(なお,出題数,出題形式及び試験時間に関する総務省の考えは,それぞれ該当の箇所に記載。)

●論述式を加えるのに対応し,試験時間を「午前9時30分から12時までを法令等の択一及び記述式,午後1時から2時30分までを法令等の論述式,午後3時から4時30分までを一般知識等」等のようにすべきである。他の隣接法律専門職種から見ても,試験時間が短く,法律専門職としての適正能力を試すのには3時間でも短すぎる。司法書士等と同様の試験時間と内容で実施すべきである。(行政書士)

●問題文を長文化することにより1時間延長し,3時間30分が理想的であると考える。通常の国家試験の問題文は長文化の傾向にあるが,行政書士試験においては特に新制度に変わってからは,問題文が短すぎて,不適切な問題文が多くあったこと,さらには,単に条文知識で解ける問題で理解力,思考力を試す問題がないこともあり,これを払拭するには,問題文を丁寧に作り,理解力,思考力を試す問題をより多く出題されることから,3時間30分位は必要と考えるからである。(行政書士)

総務省回答 4
 今回の改正案では,択一式,記述式を通じ,様々な角度から法的思考力等を問う出題の増加が想定され,所要の回答時間が必要となると考えられる一方,受験者の負担を考慮し,法的思考力等を一層問う等の改正趣旨を達成するために必要な最小限度の時間拡大に留める必要もあることに留意し,試験時間の拡大を30分としたところです。
 なお,具体的な出題は,センターにおいて検討が行われることとなりますが,総務省としては,今回の改正案により,御意見にあるような理解力,思考力をより一層問う出題がなされるものと考えます。

●司法書士試験,社会保険労務士試験と同様,午前と午後に試験を分離し,午前の部での足切りによって午後の問題の採点を行うことが,試験採点の手続きという側面からは効率が良いと考えられます。(資格試験予備校講師)

総務省回答 5
 いわゆる足切りの存廃については,今回の改正案の趣旨,科目別の出題割合等に鑑み,センター及び都道府県知事において適切な検討が行われるものと考えています。

●連続3時間という試験時間は,若干長いように感じます。もしこれ以上長くなると,学力試験と同時に,体力試験の様相も呈してきます。そのような状況になると,体力の弱い人には不公平な試験制度となります。試験時間の延長を行う場合には,試験時間を分割して,その途中に休憩を設ける等の措置を要望します。(個人)

総務省回答 6
 試験時間中に休憩を挿む場合,試験全体の所要時間が増加することとなるため,必要最小限度の時間拡大という点も考慮し,今回の改正案では従来通りの取扱いとしたものです。なお,現行の司法試験,弁理士試験等においても,休憩を挿まずに3時間以上の試験を実施しているところです。

3 法令等全般

●主に「民法」「商法」という実務上必要不可欠な重要科目と,憲法・行政法という「行政書士」としての職責に鑑みた上での重要科目等,これからの行政書士に必要な法令科目が主要となることに賛成です。(資格試験予備校講師)

●行政書士の業務範囲は幅広く,行政書士の業務に関する知識は主要なものだけでも膨大な範囲となることから,行政書士試験は,法律的な考え方を身につけているかどうか,法律家としての素養があるかどうかを問う試験であるべきである。その点から,削除された法令には一定の範囲で業務に必要な知識が存在するものの,他の業務に関して必要な知識と同様に,必要な部分に関しては登録・入会後の研修等で対応すべきである。また,実際に業務に関わる際は,様々なケースに適切かつ柔軟に対処することが要求され,理解力・執行力が極めて重要であることから,出題法令を限定し,このような能力を問う出題とすることには意義があると考える。(資格試験予備校講師)

総務省回答 7
 総務省案に賛成の御意見として承ります。

●法律専門職としての特色や行政書士の司法参入への位置付けが盛られた内容になっていると思います。特に法令科目も非常に多く,勉強も的が絞りにくく浅い勉強になっていたものが,科目もスリム化して,じっくり深く勉強できるようになったのは良い点だと思う。また,法理実務家としての試験としては一般教養の科目があるのは,何かなじまないと思っていたので,この点も良い改正点だと思う。(大分県行政書士会)

●法令科目を行政書士に必要とされるものに,もっと限定するべきだ。一般知識等を14問としても行政書士試験に必要かどうか理解に苦しむところである。(不明)

総務省回答 8
 今回の改正案では,より一層法的思考力等を問うこととすべく,その判定になじみやすい基本法を中心に出題法令の限定を行ったものです。(なお,一般知識等についての総務省の考え方は別途記載。)

●試験の範囲について,憲法・行政法・民法・商法という形に分けるのではなく,公法に関する事項・民事法に関する事項・商事法に関する事項という形に大きく区分すべきである。大きく分けることで行政書士の業務によりマッチした出題が可能となると思われる。(行政書士)

総務省回答 9
 御意見のような大きな区分とした場合,出題対象となる法律の範囲は相当程度広範になるものと考えられますが,受験者の負担にも一定の配慮をすることが必要であることから,今回の改正案では,基本法を中心に出題法令を限定・明確化したものです。

4 行政書士法の削除

●科目の変更ですが,行政書士法が抜けたことに関しましては出題の範囲が限定されていることなども踏まえれば妥当かと思います。(個人)

●手続としては付随的な行政書士法や戸籍法,住民基本台帳法などは,あえて試験で問うものではないと思います。これを削除するのも賛成です。(行政書士)

総務省回答 10
 総務省案に賛成の御意見として承ります。

●行政書士法は,行政書士制度の目的や業務範囲,守秘義務等,業務遂行において最も重要な基本的な部分の理解に欠かせない法令であり削除すべきでないと考えます。(行政書士)

●司法書士試験では「その他司法書士法第3条第1項第1号から第5号までに規定する業務を行うのに必要な同法に関する知識」が出題されます。行政書士等の資格者は,高度なモラルを要求され,専門家責任を問われる傾向にあります。出題範囲が限定されたものであれば,徒に受験者の負担を増大させることはないでしょうから,なるべく行政書士法からの出題を行っていただきたいと思います。(行政書士)

●行政書士法を試験科目からはずすこととすれば,既に生じている行政書士と他の国家資格者の職域との間での業務の問題がますます頻出することは明らかであり,次の法律を必須の試験科目とするよう要望いたします。行政書士法(行政書士法第1条の2第2項にいう弁護士法,司法書士法,弁理士法,税理士法,社会保険労務士法,その他の「他の法律」を含む。)(弁理士)

●行政書士法を法令科目から削除し,一般教養科目からの出題とするのは行政書士制度の根幹に関わる問題と考えます。業際問題に無頓着な者の出現防止,行政書士としての自覚を促す効果を考えると,法令科目での出題を望みます。(個人)

●行政書士法が削除となっているが,行政書士法も法人化できるようになり,近年法改正が行われたばかりなので,2問くらい出題した方がいいと思う。行政書士法を学ぶ事によって,行政書士の業務とはどんなものかを理解できるようになると思うが,受験科目から削除されると,学習しない受験生も出てくると思う。(行政書士)

総務省回答 11
 より一層法的思考力等を問うものとする今回の改正案の趣旨に鑑みると,行政書士法は,新たな行政書士試験において不可欠な出題分野として存続させるまでの必要性はないものと考えます。なお,現行の司法試験,弁理士試験等においても,各士業法からの出題はなされていません。
 もちろん行政書士法に関する知識は,行政書士業務を行う上で理解しておくことが不可欠なものであり,行政書士となるに当たっては,行政書士試験の科目となっているか否かにかかわらず,当然に習熟されるものであると考えます。

5 戸籍法,住民基本台帳法の削除

●行政書士は,相続関係を明らかにする業務や,身分関係の変動に関わる申請等の業務を行っていますので,戸籍法の理解は欠かせません。権利・義務・事実証明に関する書類の作成を業務とすることからも,権利・義務の主体である個人の存在,身分関係に関わる戸籍法や住民基本台帳法は,極めて関係の深い法律ではないでしょうか。試験科目から削除することは適当でないと考えます。(行政書士)

●そもそも,法令科目の出題数を増やすという今回の改正は,行政書士により高い法令の知識を要求するものと考えます。それであるなら,法令科目において科目数を減少させることはいかがでしょうか。実務に関係の深い科目を多くするという趣旨であれば,憲法・基礎法学の出題を減らしてでも戸籍法からの出題は維持すべきではないでしょうか。(個人)

●従来から行政書士の試験は実際の業務とは結びつきが非常に少なく他の士業に比べて独特な試験制度であった思う。今回労働法,税法の削除は別にして戸籍法,住民基本台帳の削除はますます行政書士の実務とかけ離れた試験内容になることを助長する改定だと思います。私は,一般常識や基本的法律知識も当然重要ではあるが,行政書士として実務に結びついた試験も必要ではないかと考えます。(行政書士)

総務省回答 12
 今回の改正案では,業務分野が多岐にわたり特定されないという行政書士の業務の特性や,隣接法律専門職種としての位置付け等に鑑み,より一層法的思考力等を問うこととすべく,その判定になじみやすい基本法を中心に出題法令の限定を行ったものです。
 行政書士の業務に関連の深い個別の法律は,戸籍法,住民基本台帳法の他にも多数ありますが,これらをすべて出題の対象とすることは受験者の負担の観点からも適切ではなく,これらの修得については,登録・入会後の研修等に委ねることが適当と考えます。行政書士試験により一定の法的素養が実証された者であれば,これら個別法の修得に支障が生ずることもないと考えられます。

●行政書士は国民の最も身近な法律家として,行政手続の円滑な実施に寄与し,併せて国民の利便に資する役割がありますが,行政手続,許認可のすべてに,住民基本台帳法に基づく住民票や戸籍の付票などが添付されます。又,行政書士による電子代理申請に関連しての,住民基本台帳カードと個人情報保護の関係等を総合的に判断できる知識が必要であります。住民基本台帳法はその根幹ともいえるもので行政書士にとっては必須の法令であり削除には反対いたします。(行政書士)

●昨今の戸籍謄本不正取得問題を考えると,法令科目での出題を望みます。(個人)

総務省回答 13
 今回の改正案では,より一層法的思考力等を問うこととすべく,その判定になじみやすい基本法を中心に出題法令の限定を行ったものです。
 しかし,御意見にもあるように,電磁的記録の作成を含む行政手続オンライン化への対応や,情報化の進展等にともなう個人情報保護の要請はむしろ増大していることから,今回の改正案では情報通信・個人情報保護に関する出題(戸籍法及び住民基本台帳法の関係部分を含む。)を,行政書士の業務に関連する一般知識等(以下「一般知識等」という。)において行うことを明確化したところです。

6 労働法・税法の削除

●労働法,税法については,専門の士業も存在し,実務上,直接的に主力業務にしている行政書士もそれほど多くないので,貴省の案どおりでよいと考えます。(行政書士)

●税法に関しましても「捨て科目」の筆頭科目でしたので,「運に任せる」問題が減るのは受験生全体にとっても好ましいと感じます。(個人)

総務省回答 14
 総務省案に賛成の御意見として承ります。

●税法,労働法の削除は税理士業務,社労士業務との明確な区別化のためでしょうか? 削除された科目はなぜ削除されたのか理由を明確にしないと,受験生や既合格者は不安に思うと思います。(不明)

●行政書士として記帳代行を主として業務をこなされている方々が多いので,税法の基本的なところは逆に少し問題を増やして問う方が,開業後の受験生の為になるのではないでしょうか?(行政書士)

●税理士業務の内,記帳代行は行政書士の業務です。その意味から税法の除外は記帳代行を現在行っている行政書士を無視するもので,到底容認できるものではありません。(行政書士)

●社会保険労務士が独立した後も,当時行政書士に入会していた者は社会保険労務士法に掲げる労働法関係における諸手続を行えることとなっており,現在も行政書士は労働法関係の諸手続を行っております。将来とも行っていくことを考えると,労働法は行政書士業務に関連する重要な法令であり削除すべきではないと考えます。(行政書士)

●社会保険労務士の業務が出来うる行政書士がいるのにこの労働法を除外するのはいかがかと思います。確かに今後合格する行政書士は社会保険労務士の業務は行えません。しかし,歴史的な背景を教える意味でも必要だと思います。(行政書士)

総務省回答 15
 現在,一定の税目に関する税務書類の作成は行政書士が行うことができるほか,昭和55年9月1日までに行政書士会に入会していた行政書士は,経過措置として社会保険労務士の業務の一部を行うことが認められております。
 しかし,今回の改正案では,業務分野が多岐にわたり特定されないという行政書士の業務の特性や,隣接法律専門職種としての位置付け等に鑑み,より一層法的思考力等を問うこととすべく,その判定になじみやすい基本法を中心に出題法令の限定を行った結果,税法及び労働法は,行政書士の業務に関連の深い法律ではあるものの,出題分野からは削除することとしたものです。

7 行政法

●これまで出題に関して不明確だった行政事件訴訟法と国家賠償法を,明確に出題範囲に入れるのは,行政書士の専門性を高める意味からも,必要なことだと思います。(行政書士)

●行政法という法典が存在しないことから,行政法の範囲を明確化することには意義があると考える。(資格試験予備校講師)

総務省回答 16
 総務省案に賛成の御意見として承ります。

●過去においては,「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」(以下,情報公開法という。)が出題されており,情報公開法を法令等科目の「行政法」として出題するのか,一般知識等科目の「情報通信・個人情報保護」として出題するのかを明確化することを要望する。(資格試験予備校講師)

●文末の表現「中心とする」を削除した方がよいと思います。表現が曖昧であり,それ以外からの出題を想定しなければならず,学習範囲が無用に広がることが懸念されます。(資格試験予備校講師)

総務省回答 17
 従来,行政に関する法令は,行政法と並列に列挙されていた法律(地方自治法,行政手続法等)を除き,すべて「行政法」として出題されていましたが,今回の改正案では,出題範囲を明確化するため,行政に関する法令は「行政法」としてくくった上で出題の中心となる具体的な法律名を明記することとしたものです。
 なお「中心とする。」としたのは,括弧内に列挙した法律を出題の中心とするものの,その時々で重要な行政に関する法令からの出題を妨げないとの趣旨によるものです。従って,行政機関の保有する情報の公開に関する法律については,この分野からの出題が可能と考えます。

●試験科目の行政不服審査法,行政事件訴訟法,国家賠償法については,行政書士が実際の業務でこれに関与する機会はほとんどないと思います。(行政書士)

●地方自治法については疑問があります。本来,「統治」は行政書士の業務とは関係ないものではあります。憲法の統治部分は「国家の基本法」との性格から出題はやむを得ないとは思いますが,地方自治法の「長と議会との関係」や「国などの普通地方公共団体への関与」などは行政書士の業務とは全く関係無いのではないでしょうか。ましてや,議会や長などの権限・職務は尚更です。確かに,直接請求権や住民訴訟,自治立法などは“法律の専門家としての行政書士”の職務からは「基礎的知識」として必要なものではありますが,だからと言って行政書士が皆「市民オンブズマン」になる訳ではないのですから,自治立法以外は「一般教養」の範囲ではないか,と考えます。また,自治立法については憲法で出題することによってその目的(知識の理解)は達せられると思います。(行政書士)

総務省回答 18
 今回の改正案では,業務分野が多岐にわたり特定されないという行政書士の業務の特性や,隣接法律専門職種としての位置付け等に鑑み,より一層法的思考力等を問うこととすべく,その判定になじみやすい基本法を中心に出題法令の限定を行ったもので,その中でも行政法は,行政に関する手続の専門家としての素養を問うにふさわしい出題分野として憲法とあわせて存続させたものです。
 総務省としては,御意見にある法律については,行政法における主要な法律であり,また,司法制度改革における隣接法律専門職種の活用等の観点からしても不要とはいえないものであること等に鑑み,引き続き出題対象とすることが適当と考えます。

8 商法

●商法に関しては,商行為,保険等範囲が広く,出題範囲を特定するのが理想的である。例えば,会社法のみからの出題とするとか。(行政書士)

総務省回答 19
 総務省としては,各科目における出題分野の選定をはじめとする具体的な出題については,行政書士の業務との関連性等も斟酌しつつ,センターにおいて適切な検討がなされるものと考えます。

9 基礎法学

●行政書士が隣接法律職としての役割を強化するという改正の趣旨からするならば,一の法令に関する事項の出題においては法律問題としての色彩を強調すべきである。従来「基礎法学」の出題は法令の理解のための前提的な知識や前提事項からの出題であったところ,それは業務に関して必要な知識というよりも一般教養的な色彩が強かったところである。それならばむしろ,法律を学ぶものとしての一般知識として出題するのが明確である。(行政書士)

●基礎法学について基本的に廃止すべきと考える。現行の基礎法学の問題は,他の試験科目の学習過程において一通り学べるものであって,あえて試験科目として出題すべき内容ではない。(行政書士)

●この分野については受験生のほとんどが学習できないのが現実です。その理由は,他の分野に比べて抽象性が高いところに主な原因があります。したがって,あえて抽象的な出題範囲にせず,むしろ出題するのであれば,憲法などの分野に織り交ぜて出題することも可能であると思われ,あえて「基礎法学」として出題する必要はないと思います。(資格試験予備校講師)

総務省回答 19
 今回の改正案では,法的思考力等の判定になじみやすい基本法を中心に出題法令の限定を行ったものですが,多様な法令を取り扱うことが求められる行政書士の業務の特性に鑑みれば,個別法令の修得に当たり必要となる汎用的な法知識・法的素養の有無を問う観点からの出題は重要であると考えるため,総務省としては,このような出題を想定した分野である「基礎法学」を維持することが適当と考えます。

10 法令等科目の追加要望

●直ちに専門家として登録できる現況下では,行政書士が主とする業務,建設業や産業廃棄物処理業など,ある程度の広範から許可要件を問う問題なども必要と考えます。(行政書士)

●消費者契約法,建設業法,リサイクル法,道路交通法,出入国管理と難民認定法,会社法,産業廃棄物処理法等の現在の行政書士の業務に密着した法律,制度も試験の対象に導入するべきだと考えます。行政書士とはどんな業務内容かがわかるためにも,現実の社会及び業務に密着したわかりやすい試験制度であるべきだと考えます。(行政書士)

●専門性をより優先的にした改革が必要だと思料する。一般教養を行政書士の業務に関連する一般知識等に改正するのではなく,さらに一歩進めて,環境基本法,高度情報通信ネットワーク社会形成基本法,地域保険法,高齢者社会対策基本法,家事審判法,災害対策基本法などの法律の選択制を導入できないか検討いただきたい。(行政書士)

●「情報通信」分野に関する業務,すなわち建設業関係,電子定款認証に関わる会社設立等,電子申請に関する行政書士業務に関しての関連法令について問う出題を検討して頂きたいと思います。(不明)

●著作権関係の問題を入れていただくことは出来ないでしょうか。今のままでは,行政書士が著作権を扱うことが認知されておりません。(行政書士)

●行政書士は特許権や著作権の利用に関する契約書作成代理,著作権の登録申請代理などを行っているが,知的財産権の重要性が高まっている中,行政書士はますます知的財産権の専門家としての役割を期待されており,行政書士には特許権法・著作権法等の知識が必要不可欠である。(行政書士)

●家事審判法の基礎知識を加えることを提案します。全国的に多くの点在する行政書士の受ける相談は家事事件が多く,裁判所や法務局の統合などで公的利益を受けられない地方にあってはよりいっそう行政書士のこの方面への需要はますます増大する。(行政書士)

●権利義務事実証明分野で最も重要視している法令は,戸籍法,税法(相続税法に限る。),住民基本台帳法である。労働法は必要ない。年金関連法令がむしろ必要である。それに生命保険関連法令,土地不動産に関する法規は絶対に必要である。行政書士が権利義務関連業務として開発していかなければならない分野は相続業務である。相続問題を総合的にこなすには上記諸法令の基礎的知識なくしてはなし得ない。(行政書士)

●携帯電話・インターネットを利用した取引が増加をしていますが,様々なトラブルが発生しています。また,通信販売・訪問販売を利用した安易な買い物からのトラブルも多く,消費者から行政書士事務所に多くの相談が持ち込まれています。このような問題を解決する為にも,消費者契約法及び民事訴訟法の知識が行政書士には欠かすことができないと思われます。(石川県行政書士会)

●行政書士は,会社設立に必要な定款や議事録などの書類を作成し,会社の設立・運営に広く関わっている。従って,商業登記に関する知識を熟知しておくことは,行政書士が関わる会社関係の書類作成にとって絶対に必要である(行政書士)

●国際化社会の中で,国際間の親族・相続問題を解決していく事案が増加していくことが考えられるので,「国際私法」も業務に必要な法令科目に加えて欲しいと思います。(行政書士)

●財務会計知識を問う問題を加えたい。行政書士業務遂行上,色々な場面で,財務諸表や簿記の素養を必要とする場面がある。(不明)

●出入国管理及び難民認定法,国籍法の追加を希望します。士業の中では行政書士と弁護士だけが外国人に関する諸手続きを行っております。特に行政書士については過疎地域にも何人かは必ず存在し,身近な法律家ということで外国人にとって依頼しやすくなっています。士業の中でも特に行政書士は各種渉外手続きに対応することができる法律家でありますので,試験科目として盛り込む必要があると考えます。(行政書士)

総務省回答 20
 今回の改正案では,業務分野が多岐にわたり特定されないという行政書士の業務の特性や,隣接法律専門職種としての位置付け等に鑑み,より一層法的思考力等を問うこととすべく,その判定になじみやすい基本法を中心に出題法令の限定を行ったものです。
 御意見にある諸法令は,行政書士の業務に必要ではあるものの,行政書士の業務に関連の深い個別の法律は多数あり,これらをすべて出題の対象とすることは受験者の負担の観点からも適切ではないことから,これらの修得については,登録・入会後の研修等に委ねることが適当と考えます。行政書士試験により一定の法的素養が実証された者であれば,これら個別法の修得に支障が生ずることもないと考えられます。

●行政事件訴訟法が試験科目に明記された以上,その基本となるべき民事訴訟法の理解は欠かせないと思うが?(行政書士)

●今後の行政書士の業務の拡大を見据えますと,試験科目には民事訴訟法も出題すべきではないかと考えております。訴訟代理権を与えられるか否かにかかわらず,典型的な紛争処理制度である訴訟の理解なくしては,ADR等へのかかわりも難しいものと考えております。(資格試験予備校経営)

●行政書士の業務に権利義務に関する書類の作成が含まれるが,これらは当事者間で紛争となった場合に,裁判所等の紛争処理機関への提出が予定されるものである。よって,民事訴訟制度についても,ある程度の法的素養が担保される必要があるのではないか。(個人)

●民事訴訟法は実務に必要なこともあって,合格後の研修等で補われていますが,合格後ではなく,受験する時点で行政事件訴訟法とともに民事訴訟法の知識を身に着けておくほうが効率的かつ理想的だと思うのです。(個人)

総務省回答 21
 民事訴訟法は,司法制度改革における隣接法律専門職種の活用の観点では,その理解は重要なものといえますが,現時点では,司法制度改革において行政書士制度の改正は行われていないこと,受験者の負担についても考慮すべきであることなどに鑑み,今回の改正案では,行政事件訴訟法とは別の独立した出題分野としての民事訴訟法の追加を見送ることとしたものです。

●刑法,刑事訴訟法を追加する。刑法は,法的論理を訓練するためには必須の科目である。受験生のころから法的論理を訓練する必要がある。また,被害者の側に立って活動する法律の専門職が現在の制度では存在しない。このような分野に,行政書士が活躍する余地がある。(行政書士)

●行政書士の法定業務には,「官公署に提出する書類の作成」があげられているが,それには刑事告訴状,告発状の作成もその一つである。刑事告訴状,告発状の作成には刑法の犯罪構成要件の理解が不可欠である。犯罪構成要件の理解を問うべく,刑法を出題し,刑事告訴,告発の手続ひいては犯罪被害者の救済の手続に関する理解を問うべく,刑事訴訟法を試験科目とするべきである。(行政書士)

●裁判員制度が将来導入されるわけですから,いずれ一般国民から刑法に関する知識が要望されることになるでしょう。そのとき,「行政書士は刑法を知らない」と見られれば,国民・市民からの信頼を得られないことになるでしょう。「行政書士も刑法を知っている」ようにするべきと考えます(行政書士)

●行政書士の業務範囲を@行政訴訟A刑事訴訟にも一定程度(比較的簡易な業務程度)まで拡大するために,行政不服審査法,行政事件訴訟法はもとより,刑事訴訟法等刑事法をも,試験科目の内容とすること。(個人)

●民事訴訟法および刑事訴訟法の基礎知識を加えることを提案します。訴訟社会が到来し,また,裁判員制度が始まるとともに市民が訴訟に関わる場面は多くなり,提訴,あるいは訴えられることも増えることから身近な行政書士にその対応を相談することが増え,基礎知識がないとその窓口として誤った解決策を教えるおそれが生じる。(行政書士)

●民事訴訟法,刑事訴訟法を追加する。市民相談会などでの体験ですが,刑事と民事の区別がつかない相談者が意外に多いのではないかと思っています。このような相談者に納得してもらう回答をするためには,訴訟法の概要を習得する必要がある。(行政書士)

総務省回答 22
 今回の改正案では,法的思考力等の判定になじみやすい基本法を中心に出題法令の限定を行うとの考えのもと,行政に関する手続の専門家という観点から憲法及び行政法を,私人間の権利義務に関する書類作成の専門家という観点から民法,商法を存続させたものです。
 この点,刑法及び刑事訴訟法については,法的思考力等の判定になじみやすい法令ではあるものの,現行の行政書士の業務との関連性,受験者の負担等を考慮し,出題分野としての追加は行わなかったものです。

11 一般知識等全般

●行政書士の業務に関連する一般知識等についてですが,今までの行政書士試験で出題されていた理数系の問題が姿を消すということであれば評価できます。(不明)

総務省回答 23
 総務省案に賛同の御意見として承ります。

●一般教養科目については,廃止すべきと考える。政治・経済・社会については,大学生・大卒等の受験生の高学歴化や実務との直接的関連性を鑑みて,専門家としての認定基準とするにふさわしいか疑問である。試験を一次・二次の二段階化し,一定程度の学歴を有するものについては二次試験(法律分野)からの受験とすべきではないかと考える。大卒程度の受験生が政治・経済について,もう一度高校生程度の内容の勉強をする時間があれば,その時間を法律科目に充て,法的素養の拡充に努めるべく計らうべきであろう。また,文章理解については,筆記試験を論述試験することにより,その素養を図れば足りるので,廃止するべきと思料する。(行政書士)

●一般知識というだけでは漠然としすぎ,いたずらに受験者への負担となっているだけではないか。現行においても,一般教養といいつつ試験範囲が広すぎ,相当の受験準備をしないと対応できず,受験者にとって相当の負担になっているという現状がある。これは事実上行政書士業界への参入規制となっているのではないか。(個人)

●一般知識として14問出題する点は,中途半端であり,このような一般知識としての出題も不要と考えます。司法制度改革の中,行政書士が法律専門職の一翼を担うのであれば,試験自体も法律専門職にふさわしい出題内容であるべきと考えるからです。他の資格試験を見ましても,一般知識あるいは一般教養を出題する例はなく,行政書士試験のみ一般知識を出題するのか説得的理由を見出せません。公務員あるいは公務員受験生に有利となってしまいます。(行政書士)

●隣接法律専門職種と位置付けしているにも関わらず,およそ行政書士の実務と無関係な政治・経済・時事問題,読解問題さらに理科や数学の出題がされるのは到底容認することは出来ません。法律系の資格試験でこんな理不尽な出題されるのは行政書士試験だけです。特に時事問題は知人の合格者でさえも訳が判らないと嘆いていました。試験センターを訴えてやりたい程の酷さです。やはり法令の結果で合否を判定すべきではないですか。(団体職員)

●廃止すべきと考える。業務に全く関係がないからである。廃止できない場合には,国語の読解を中心に出題するべきである。なぜならば,国語力がなければ,条文を読み込む力が無く,また,書類作成をするには文章力を要するからである。(行政書士)

●ほとんどの士業試験において,一般教養は試験科目として採用されておらず,これによって他士業において説明責任やコミュニケーションに支障が生じていることがないことも考えると,一般教養を出題する論理的必然性は存在しないことになる。行政書士試験が行政書士の能力・適正を判定するものであるという基本に立ち返った場合,試験科目から一般教養を削除し,法令等科目を重視した試験とすることが,複雑・多様化する社会情勢や,行政書士に求められる役割の増大等の社会的ニーズに応えることにつながる。(資格試験予備校講師)

総務省回答 24
 今回の改正案では,法律的素養を身に付けているかをより一層問う観点から,法令等科目の出題割合を増大させたものですが,法令関連の業務を中心としつつも,それにとどまらない幅広い領域を活動の場としている行政書士の特質等を踏まえると,「行政書士の業務に必要な法令等」で掲げる法令科目以外にも行政書士の業務に関連する知識は存在すると考えられ,これを問う科目を存続させることは適当であると考えます。
 なお,今回の改正案では,情報通信・個人情報保護を出題分野として明示するに伴い,行政書士の業務に関連する知識等からの出題について出題範囲を明確化し,御意見にあるようないわゆる一般教養的な出題は,これを見直したところです。新たな一般知識等科目における具体的な出題については,従前の一般教養科目の出題への批判的な御意見も十分に踏まえ,センターにおいて検討を行っているところです。

●一般教養につきまして,近年の出題を見ていますと,自分の実力不足を考慮して考えてもまさに「運試し」の出題かと思わざるを得ない状況かと思います。昨年は一般教養対策にかなり力を入れたにもかかわらずほとんどの科目が「勘」に頼る状況で,国語など確実に取ったにもかかわらず他の問題がほぼ全滅するという結果になりました。出題の範囲をかなり具体化されたようですが,欲を申し上げればもう少し具体化しても良いのでは,と感じます。(個人)

●出題範囲について,例えば,会計,行政書士が作成できる税務書類に関する知識と情報通信,個人情報保護,文章理解にするなど実務に即した絞り込みをかけるべきです。旧称一般教養は,受験界からは大きな批判にさらされています。この主な理由は,一般教養だけで合格基準が設定されている割には,出題範囲を絞りづらく,結果,法律的な知識を多く有する優秀な受験生が不合格になる点にあります。絞り込みのかけ方としては,実務に即した形で行っていけばよいと思われます。また,法令科目としては廃止する税法の中でも,行政書士が作成できる税務書類については,出題範囲として明記した上で,それに必要な知識を問うのも良いと思います。このように実務に即した形で一般知識等を形成していけば,批判が無くなるばかりではなく,むしろ,他の法律系の試験にはない良さになると思われます。(資格試験予備校講師)

●法令に関する理解力や思考力等の法律的素養を一層問うことを目的に,行政書士の業務に関し必要な法令等として,憲法,基礎法学,行政法,民法及び商法に限定することについては賛成ですが,一方で,行政書士に求められる役割の増大により,隣接法律専門職としての資質を,これまで以上に担保する必要があることも事実です。「政治・経済・社会」又は「情報通信・個人情報保護」の分野において知識や意識を問うことにより,隣接法律専門職種としての資質担保の一翼を行政書士試験が今後も担われることを期待します。(日本行政書士会連合会)

総務省回答 25
 今回の改正案では,情報通信・個人情報保護を出題分野として明示するに伴い,いわゆる一般教養的な出題は,これを見直したところであり,行政書士の業務に関連する知識等からの出題については,出題範囲の明確化が相当程度なされたものと考えます。
具体的な出題は,行政書士の業務との関連性や社会経済情勢の動向等も斟酌しつつ,センターにおいて検討がなされるものと考えますが,御意見のような隣接法律専門職種としての資質を問う観点からの出題や,実務に即した出題を行うことも可能であるものと考えます。
 なお,新たな一般知識等科目における具体的な出題については,従前の一般教養科目の出題への批判的な御意見も十分に踏まえ,センターにおいて検討を行っているところです。

●業務に関する一般知識について,「業務に関する一般知識等」を削除し,「業務に関する必要な知識等」とされたい。一般的な知識以上の知識が要求される業務であるため。(行政書士)

総務省回答 26
 法令等科目のほか,一般知識等科目においても業務に関し必要な知識についての出題を行うべきであることは,行政書士法の規定上からも言うまでもありませんが,業務分野が多岐にわたり特定されないという行政書士の業務の特性及び受験者の負担に鑑みれば,業務に関する一般的な知識を超えない範囲での出題が妥当であるものと思料します。
 高度な専門知識の修得については,登録・入会後の研修等に委ねることが適当であり,行政書士試験により一定の知識及び能力が実証された者であれば,これらの修得に支障が生ずることもないと考えられます。

12 政治・経済・社会

●行政書士の業務に関連する一般知識等(14題)のうち,「政治・経済・社会」をすべて削除。「政治・経済・社会」という膨大な範囲から,わずか10題足らずの出題をしても,受験者の「政治・経済・社会」に関する知識に関して正当な評価をすることはできないと客観的に考えられるためです。よく言われるように,社会科の試験問題は“水物”という性質が強く,特に国家試験にはなじまないとも思います。さらに,「一般知識」の14題の5割以上を得点できなければ足切りをするという制限も加わったのでは,これはもう,「行政書士試験は,運のよい人しか合格できない試験」というレッテルが貼られることになり,世が本当に必要としている優秀な法律家になる素養を持った人材の受験意欲をも失わせてしまうことになりかねないと思います。(個人)

総務省回答 27
 法令関連の業務を中心としつつも,それにとどまらない幅広い領域を活動の場とする行政書士の特質を踏まえれば,行政書士となるに当たっては,政治経済等の現状や動向に対する関心と一定の知識を有していることが望ましいと考えられ,出題分野として「政治・経済・社会」を存続させることは適当であると考えます。
なお,いわゆる足切りの存廃については,今回の改正案の趣旨,科目別の出題割合等に鑑み,センター及び都道府県知事において適切な検討が行われるものと考えます。

13 情報通信・個人情報保護

●情報通信の基礎知識は,それのみ単独の試験科目として出題すべきである。この点は,行政手続のオンライン化が各分野で構築されている現状に合致しているので,試験問題としてはふさわしいと考える。但し,受験生の経済的格差による不合理な内容とならぬよう慎重に問題作成していただきたい。(行政書士)

●個人情報については,個人情報保護法として単独の法律科目の出題とする。法令遵守に重点を置いて,その中での物理的対策としてITセキュリティーを位置づけるべきである。すなわち,正確な法律書面の作成,法律遵守を徹底させるという意味からも,行政書士にこの分野の専門家確立をゆだねるべきと考える。(行政書士)

●「改正の理由」及び「改正の考え方」にある通り,高度情報通信社会の進展,電磁的記録の作成業務の追加等を考えると,「情報通信・個人情報保護」の重要性は高いことから,一般知識等科目を出題するのであれば,これに「情報公開」が含まれることを明確化した上で,「情報通信・個人情報保護・情報公開」に限定し,試験科目として採用すべきである。(資格試験予備校講師)

総務省回答 28
 出題の必要性については,総務省案に賛成の御意見として承ります。なお,近年増大している個人情報保護の要請は,情報化の進展等と密接な関連を有するものであることから,総務省としては,「情報通信」及び「個人情報保護」を一体の出題分野として取り扱うことが適当と考えます。
 また,具体的な出題はセンターにおいて適切な検討が行われることとなりますが,仮に行政機関の保有する情報の公開に関する法律についての知識を問うこととした場合には,法令等科目の「行政法」からの出題が可能と考えます。

14 文章理解

●文章理解は削除されたい。文章理解は,一般知識の中でも設定可能なため,特に項目としてあげる必要性に乏しい。また,文章理解能力は試験の設問全体を通して,設定済みと判断できる事項でもある。(行政書士)

●従来の試験では内容的には高校の国語レベル程度の問題であり,法律実務家の素養を問う問題としては非常に心もとなかったことを申し述べておきます。改正試験では,レベルの高い超長文を出していただき,テクニックだけでは対処できない真の読解力を持った人材を選別していただきたいと思います。また,入管業務に代表されるような国際関係業務が増えてきておりますので英文の出題があっても良いのではないかと思います。(行政書士)

●国語ですが,例題が長文すぎる。読解するだけで時間を要する。理解による正答ではなく,勘に頼ってたまに正解している。この設問も改正してもらいたい。(不明)

総務省回答 29
 法令関連の業務をはじめとした幅広い場面において書類の作成業務に携わることとなる行政書士の特質を踏まえれば,行政書士となるに当たっては,相当程度の文章作成・読解能力を備えることが必要であると考えられ,出題分野として「文章理解」を存続させることは適当であると考えます。
 なお,具体的な出題は,行政書士が書類作成の専門家であることや受験者の負担等にも考慮しつつ,センターにおいて検討されることとなります。

15 一般知識等の科目追加要望

●グローバルになっているので世界情勢の問題も加えて欲しい。(不明)

●高校卒業レベルをベースとした従来の「一般教養」試験では受験者層との間にミスマッチを起こしており,得点を抑えるため問題が些末なものとならざるを得なかったのではないかと思います。具体的に書きますと大学卒業レベルの「政治学」「経済学」「社会学」からの出題,さらに行政書士の業務から考えて「会計学」からの出題も是非行って欲しいと思われます。行政書士は従来法律系の資格であると思われていますが,実務に入ると貸借対照表や損益計算書などの財務諸表を精査しなければならないことも多く,高度な会計学の知識も素養として身につけておかなければならないと思われます。(行政書士)

●一般知識の内容に,「消費者契約・特定商取引・著作権等」を追加されたい。国民の利便に資する。権利義務・事実証明書類という法の目的また情報弱者を救済するという観点からしても,情報通信・個人情報保護だけを明記するのでは時代のニーズに合致しない。(行政書士)

●電磁的記録の作成業務の追加,その業務等に係る個人情報の適正な取扱いの要請及び社会情勢のグローバル化に伴う業務の複雑・多様化・専門化に鑑み,「情報通信・個人情報保護,法例,出入国管理」を出題分野として明示する。(行政書士)

●市民の方から様々な相談が持ち込まれますが,刑法,訴訟法の最低限の知識は必要であると思われます。こういった点が「一般知識等」の「等」で出題されるのかとも思いますが,「刑事,民事の訴訟手続」も明記されるべきかと思います。(行政書士)

総務省回答 30
 御意見にあるような分野は,行政書士の業務に関連する知識等ではありますが,多岐にわたる行政書士業務の一部の領域において必要とされるものであり,これらすべてを出題の対象とすることは受験者の負担の観点からも適切ではなく,これらの修得については,登録・入会後の研修等に委ねることが適当と考えます。
 なお,具体的な出題については,行政書士の業務との関連性や社会経済情勢の動向等も斟酌しつつセンターにおいて検討がされることとなりますが,御提案のあった分野については「政治・経済・社会」分野において出題することも可能であるものと考えます。

●現在の行政書士の目的の中に事実証明に関する書類(実地調査に基づく図面類を含む。)の作成がありますが,図面類を作成するための測量に関する科目を追加していただきたくご検討くださいますようお願い申し上げます。(行政書士)

●基礎理科学及び基礎数学に関する分野を追加していただきたい。行政書士試験は近年の規制緩和政策により受験の学歴要件が廃止され包括的な基礎学力を担保出来なくなった上,今回の改正案において理数系分野が明示的に除外されますと,実務上の業務遂行能力は担保出来ません。具体的には行政書士の主要業務とされています農地転用許可での求積図の作成,一時転用における土壌計量証明の判別,風俗営業許可における図面の作成及び求積等,実務上理数的素養がないと処理不可能な業務が数多く存在し,現在の環境保全,循環型社会の構築という施策で増加傾向にあります。又,理数的分野はその素養がない限り研修制度で補完できる訳ではなく,専門家である担当官と専門家若しくはそうでない依頼者との間に入る行政書士が専門用語や各種証明を理解できないようでは国民及び行政の利便の向上にはつながらないと考えます。(行政書士)

総務省回答 31
 御意見にあるような分野は,行政書士の業務に関連する知識等ではありますが,多岐にわたる行政書士業務の一部の領域において必要とされるものであり,これらすべてを出題の対象とすることは受験者の負担の観点からも適切ではなく,これらの修得については,登録・入会後の研修等に委ねることが適当と考えます。

●試験問題に倫理に関する問題を出題し,登録後の心得として深く認識させておく必要があると思います。(行政書士)

総務省回答 32
 行政書士が国民の権利義務に関わる重要な書類の作成を業務とすることを踏まえれば,行政書士は高い倫理意識,規範意識を備えているべきであることは当然と考えますが,試験によってその有無等を判定することは難しいものと思料します。これらについては,登録・入会後の研修及び非行行為に対する懲戒処分等の措置の適切な実施により担保していくべきものと考えます。

16 試験の方法(出題数)

●行政書士の業務に関連する一般知識等の問題数を現状のまま,20問とすべきです。この分野に関して出題範囲を絞り込み,その上で出題問題数を増やせば,これが他の法律系の試験にはない行政書士試験の特徴となると思われます。旧称一般教養を量的に減らしていくのではなく,質的に高めていくことを進めて欲しいと思います。(資格試験予備校講師)

総務省回答 33
 今回の改正案の趣旨は,行政書士の隣接法律専門職種としての位置付け等を踏まえ,受験者の法的思考力等をより一層問う内容とするものであり,そのためには,法令等科目の出題割合を増加させることが適当であると考えます。
 もっとも,従前の一般教養科目の出題への批判的な御意見も踏まえ,新たな一般知識等科目における出題の質を確保すべきことは御意見の通りと考えます。センターにおいても,この点を踏まえ,適切な検討が行われているところです。

●合計問題数を60問にこだわるのであれば,法令を50問と一般教養を10問にしたほうが良いと考えます。一般教養は,旧試験内容にあった数学と物理を省いたのは非常に評価できますが,国民が行政書士に求めているのは,強固な法知識に裏打ちされた”能力”であり,それに対価を払います。政治・経済も必要な知識だとは思いますが,やはり民法や商法,行政法に力点を置いた試験内容にするべきだと考えます。(不明)

●今度の改正から数年を経過した後には,さらに法令等科目の出題科目の出題数を増やすこと,また全体の出題数についても司法書士試験及び社会保険労務士試験の択一式出題数と同程度の70問程度にまで増やすことも考えられたい。(熊本県行政書士会)

総務省回答 34
 今回の改正案では,受験者の法的思考力等をより一層問うこととすべく法令等科目の出題割合を増加させましたが,一方で,法令等以外にも行政書士の業務に関連する知識は存在すると考えられることから,一般知識等を問う科目自体は存続させたものです。
 法令等科目については,出題割合の増加とあわせて基本法を中心とした出題法令の限定を行っていることから,一法律当たりの出題数は相当程度増加することとなります。また,試験時間についても30分拡大したことから,総務省としては,今回の改正案により法的思考力等をより一層問う出題は十分可能であり,受験者の負担も考慮すると,更なる法令等科目の出題割合の増大や,全体の出題数の増加までは必要ないものと考えます。
 なお,今後の試験の施行状況,行政書士の役割や行政書士制度の変化を踏まえ,関係各方面からの御意見も参考としながら,必要に応じ試験制度の見直しを行うべきことは言うまでもありません。

17 試験の方法(出題形式)

●午前は択一で午後は以前実施されていた論述式が適当だと考えます。30分程度追加するだけでは幅広い行政書士の業務範囲の試験を行うのは難しいですし,能力担保の面で問題があると思います。弁護士以外に権利義務書類の作成代理を業とできるのは行政書士だけであり,行政書士はイギリスの事務弁護士に相当します。そのような資格の記述式部分がジグソーパズルのようではいかがなものでしょうか。以前の論述は時事問題で800字でしたが,1200〜1600字程度でかつ判例問題から論じる等,司法試験に近い問題にすべきだと考えます。(行政書士)

●憲法・民法・刑法・行政法・商法について論述試験を実施すべきである。行政書士の実務において,法的文章を書くという作業は日常茶飯事である。例えば内容証明,行政庁への上申書,依頼人への説明書などである。それにもかかわらず,法律的な文章を作成し,又は,読解する能力を測る試験が導入されていないことに問題があると考える。具体的事例をもとに出題し,判例・法規の解説を中心に一般的な法的帰結を述べる程度の論述試験は実施すべきである。(行政書士)

●法令科目においては,択一式,記述式にて対象法令について出題することに加え,試験会場にて1ないし2法令を選択させ,論述式の出題(B4罫紙1枚程度)を加えることで単に幅広い法令知識を問うだけでなく法律的素養と法解釈の深い理解を問うべきと考えます。(会社員)

●司法試験や司法書士試験等に準じて,論文形式,事例処理形式を用いるべきではないか。現行の行政書士試験では,単に基本的な法律知識を問うだけであり,平均的な大学法学部における学部試験よりも難易度が低いと考える。論文式,事例処理形式などの出題形式を用いて高い法律的思考力を問い,同時に判例,行政先例なども問うて,実務に即応できる能力を担保する必要があるのではないか。(個人)

●論理的思考を問う論述試験を設けるべきである。行政書士に,法令に関する理解力が求められるものであれば,その論理的思考を,文章として筆記する資質を担保すべきであり,法令に限定せずとも,論理的思考を問う試験を行うべきであろう。(個人)

●権利・義務・事実証明に関する文書としては各種契約書・合意文書・協定書・協議書・内容証明等枚挙にいとまがないといえますが,これらの需要はすべて現在は,弁護士事務所に殺到しているものと思われます。行政書士が十分な起案能力を有すれば,正確な文章力を持てれば,この流れは大きく転換するものと考える次第です。択一試験の実施のみでは,行政書士として国民の信頼,多様な需要に答えられないのは必定です。この国民の期待に応えるためには論文式試験の追加が必要ではなかろうかと痛感しております。(行政書士)

総務省回答 35
 今回の改正案では,行政書士の隣接法律専門職種としての位置付け等を踏まえ,受験者の法的思考力等をより一層問うこととすべく,基本法を中心とした出題法令の限定,法令等科目の出題割合の増加及び試験時間の30分拡大を行ったものです。
法令科目についての論述問題は,受験者の法的思考力,論理的思考力,文章表現力等を総合的に判定する手法として効果的な出題形式の1つであると思料します。センターにおいても,受験者の負担や受験年度間の公平性の確保にも配慮しながら,記述式についての出題のあり方について可能な範囲での見直しが検討されているところです。
 しかし,御意見にあるような,司法試験類似の論述問題の導入は,現行の試験制度の枠組みを大きく変更するものであり,十分な検討と周知期間が必要であると考えられますが,行政書士試験については早急な見直しを望む意見も強いことから,総務省としては,改正案について18年度試験から実施することとしたいと考えています。

●記述式においては『契約書式の立案問題を含む』とすべきだと考えます。現在の行政書士は私人間の契約に関する業務を受託する機会が増してきているため,単なる条文知識を問うだけでは必ずしも十分ではありません。事案に応じて適切に書式化できるか否かを問うことが,今日の行政書士試験にとって有用だと考えます。(行政書士)

●ぜひ行政書士という資格を真剣に考え,その責任を全うする覚悟のある方が多く合格されるような方向付けをお願いいたします。筆記試験で書類作成の実務(実際の申請書などを作る)などの出題はいかがでしょうか?(自営業)

●必要があれば口述試験を実施すべきではないか。(個人)

●行政書士の広範な業務の性格から,労働関係,医療関係,福祉関係,建築関係,消防関係,不動産関係,都市計画関係,環境関係,交通事故関係,損害保険関係等々についての業務に必要となる一般的な素養を測るための教養選択科目を創設すること。(個人)

総務省回答 36
 今回の改正案では,業務分野が多岐にわたり特定されないという行政書士の業務の特性や隣接法律専門職種としての位置付け等に鑑み,法的思考力等の判定になじみやすい基本法を中心に出題法令の限定を行ったものです。
 御提案にあるような出題形式は,個別の業務分野における実務的な能力を判定する手法としては有効なものと思料しますが,行政書士試験においては,基本となる法的素養を問う出題を行うこととし,実務面での能力担保は,登録・入会後の研修等に委ねることが適当と考えます。行政書士試験により一定の法的素養が実証された者であれば,これらの修得に支障が生ずることもないと考えられます。

18 合格発表日

●1月の「第5週」に変更する案は反対します。確かに試験日が繰り下がった関係で合格発表日もそれだけ遅くなる事情も判らなくないですが,受験生の心理と致しましてはやはり合否の結果は1日でも早く知りたいものです。本試験はマークシート方式と記述式の併用方式ですが,試験実施機関がその気になれば従来通り1月の第3週までに合否の結果を出せるのではないですか。再考を願います。(団体職員)

●試験実施から合格発表日までの時間差は,試験研究センターの怠慢以外の何者でもないと考えます。マークシートの採点に2ヶ月はかかりません。また,昨年も出題ミスが1問と,国語の問題で,正解枝が極めて不適切な問題(問45の枝4・5)がありました。試験委員の選考方法,並びに問題作成能力にも疑問を感じております。この点も踏まえたうえで,意見公表をお願いいたします。(個人)

総務省回答 37
 択一式のみならず記述式の出題があることに加え,近年の行政書士試験の受験者数の推移や,今回の改正案において試験時間を拡大していること等の事情に鑑みれば,試験実施日の繰下げにともない合格発表日を繰り下げることは,やむを得ないものと考えます。(なお,出題ミスについての総務省の考え方は別途記載。)

19 特別措置

●今回提示の改正案の改正対象となっていない,「第七特例措置の実施」については,肢体不自由者にとどまらず,全盲などの重度の視覚障害者が試験を受験できるよう,特段の配慮を講ずることが必要であろうと考えます。視覚障害者をはじめとする障害者の方々が,市民に身近な法律実務家である行政書士となっていただき,今後,普及するであろう,電子申請制度などを活用していただいて,電子政府・自治体による行政手続に関与していただくことは,高齢者も,障害者も,健常者と同じように参加する社会を目指している昨今の政府の政策にも,合致すると考えます。(公務員)

総務省回答 38
 総務省としては,行政書士試験の実施に当たり受験者の障害等の状況に応じたできる限りの配慮を実施することが望ましいものと考えており,センターにおいても,すでに視覚障害者について試験問題用紙・答案用紙の拡大その他の特別措置を実施しているところです。
 一方,身体障害者に対する特別措置を実施するには,障害の種別や個別の障害の程度に幅広く対応できる十分な体制の構築が必要であり,身体障害者全般への特別措置の実施を告示により都道府県知事に対し義務付けるには,なお検討が必要であると考えます。
 そこで,今般いただいた御意見も踏まえセンターに検討依頼したところ,前向きな反応であり,点字試験の実施等の方法により全盲等重度の視覚障害者の受験者にも対応できるよう,特別措置を拡充する方向で検討しているところと承知しています。

20 施行時期

●来年度の本試験から改正内容を適用するそうですが,総務省が利害関係のある受験生等のパブリックコメントを真摯に受け止め,改善すべき点は改正していただけるのであるなら,予定通り来年度から実施してもいいのではないかと考えます。(団体職員)

総務省回答 39
 今回の改正案では,行政書士の業務の特性や受験者の負担等も考慮した上で,科目の見直し等所要の改正を行っているところです。行政書士試験については早急な見直しを望む意見も強いことから,総務省としては,御意見の通り平成18年度に実施する試験から適用することとしたいと考えます。

21 受験資格,受験申込

●一次・二次の二段階にし,一定程度の学業を修めたものについては,一次試験を免除する方向にすべきである。(行政書士)

●行政書士試験の受験資格は,従前通り学歴に関係なく,開放性のあるものとすること。(個人)

総務省回答 40
 現行の試験では,一定程度の学業を修めた者について試験の一部を免除すべき出題内容とはしておりませんが,御意見のような二段階の試験を行うとなれば,制度の枠組みの大規模な改正が必要となります。この点,行政書士試験については,早急な見直しを望む意見も強いことから,総務省としては,改正案について18年度試験から実施することとしたいと考えています。
 なお,行政書士試験は,年齢,学歴や国籍に関係なく誰でも受験が可能であり,今回の改正案においても,この点に関する変更はありません。

22 受験申請手続

●ネット上からも受験申請できないのか。(不明)

総務省回答 41
 受験者である国民の立場に立った多様な選択肢の提供及び試験関連業務の効率化・合理化の観点からは,受験願書の電子申請化への対応を進めることは望ましいものと考えます。センターにおいても,インターネットを利用した受験願書の受付については,早期の実現に向け検討に着手しているところと承知しています。

23 難易度・合否判定基準等

●記述式といっても現状はたったの4カ所を4文字穴埋めです。憲法など中学生なら誰でも出来るレベルと笑われています。商法など平成12年は有限会社の最低資本はいくらか?というものでした。専門家の試験ではありません。恥ずかしくて人に見せられません。私は行政書士として非常に恥ずかしい試験だと思っております。国民が納得する試験であるためには,専門科目をもう少し高度な内容で,合格ラインも70%であることを望んでおります。(行政書士)

●「行政書士の業務に関連する一般的知識等」についての配点はもっと低くても良いのではないかと考えます。(行政書士)

●一般教養の出題数が減っておりますが,従来の採点基準を適用しますと,合否が偶然にかかる可能性が高くなると思います。採点基準を,変更して,一般教養での足きりを廃止し,総得点で7割以上といった採点基準の方が結果的に優秀な人物を選定できるのではないかと考えております。(資格試験予備校経営)

●@基礎法学及び憲法,A行政法,B民法及び商法,C一般知識等の科目群について,各々50%以上の得点を求める制度を導入することを提案します。(公務員)

総務省回答 42
 具体的な出題の検討はセンターにおいてなされることとなりますが,総務省としても,今回の改正案における出題法令の限定の考え方,試験時間の拡大等を踏まえた出題が適切になされるべきものと考えます。
 なお,いわゆる足切りの存廃や配点等合否の判定に関する事項については,今回の改正案の趣旨,科目別の出題割合等に鑑み,センター及び都道府県知事において適切な検討が行われるものと考えています。

●問題の難易度で合格率が変わるというこんな酷い資格試験は他にはありません。受験生だって真剣に人生をかけて受けている人がたくさんいるのに,出題側がそういうことを全く考えたことがないのでしょう。だからこんなデタラメがまかり通る。ここを即刻是正して頂きたい。6割というのは低すぎます。この設定になってしまうのはやはり一般教養があるからです。やはり一般教養は廃止して,法令科目のみとして,その代わり合格基準は7割にする,というような改正が望ましいと思います。(会社員)

●現行試験は,いわゆる絶対評価試験ですが,年度によって合格率が乱高下する弊害が指摘されています。そこで,司法書士,社会保険労務士等の他の国家資格試験と同様に,一定の合格率(例えば5%)になるよう,毎年度ごとに合格最低点を設定することを提案します。(公務員)

●行政書士試験の合格率の変動の大きさが2〜20%では試験の信頼性はおよそないと考えるべきです。正答率60%を合格ラインとするのは,非常識以外のなにものでもありません。問題の難易度に応じて変動が年度ごとに大き過ぎて受験生,国民に資格そのものの不信感を与え続けていますので,ここで年度毎の合格者数を試験の難易度に応じて調整すべきです。(行政書士)

総務省回答 43
 近年の行政書士試験における合格率の変動に関しては,総務省としても,試験実施年度により実質的な合格水準が大きく異なることのないようにすべきものと認識しています。この点については,現在,センターにおいて,年度間の公平性を確保するための試験のあり方に関して検討が行われているところであると承知しています。

●他の国家資格の試験は,マーケットの需給関係を見ながら合格者数を調節してきたようですが,行政書士試験に関してはそのような配慮が全くなされていなかったのではないかと思われます。今後はある一定の範囲で合格者数を抑制する必要があると思います。(行政書士)

総務省回答 44
 問題の作成・採点や合否の判定に関する事項は,告示には特段の定めがなく,センター及び都道府県知事において適切な検討が行われるものと考えますが,行政書士試験は,依頼人である国民の利益保護の観点から,行政書士となろうとする者に行政書士の業務に関し必要な知識及び能力が備わっているかどうかを確認するものであることに鑑みると,需給調整の観点によって合否が決定されるものではないと考えます。
 もっとも,行政書士の役割や行政書士制度の変化にともない,行政書士に求められる知識及び能力は変化しうるものであることから,これを踏まえた出題の見直しや合否の判定の実施がなされ,結果として合格者の数に変化が生ずることはありうるものと考えます。

●税理士試験や弁理士試験の短答式試験等において合格基準又はその目安が公表されている。また,現行の試験事務規程22条2項は試験の出題要件を定めており,また,平成12〜16年においては,これが合格基準となっている。改正後についても,どの程度の要件をもって行政書士の業務に関し必要な知識及び能力を有すると認めることができるのかについては,早期に公表すべきである。(資格試験予備校講師)

総務省回答 45
 合否の判定に関する事項については,今回の改正案の趣旨,科目別の出題割合等に鑑み,センター及び都道府県知事において適切な検討が行われるものと考えますが,これらの事項を含め,今後の告示改正を踏まえた平成18年度からの行政書士試験の概要については,受験者の不安を少なくする観点からも,可能な限り早期の事前周知を図ることが望ましいものと考えます。
 センターにおいても,18年度からの行政書士試験の概要については,今回寄せられた御意見を参考としつつ,早期の公表を予定しているものと承知しています。

24 その他(出題配分・出題内容)

●民法・商法の出題数を憲法・行政法と同じかあるいはやや多めに出題するようにすべきである。近年,行政書士の隣接法律職としての認知度は徐々に高まってきているところであるが,従来から試験においては憲法・行政法のウエイトが民法・商法に比べて圧倒的に高く,登録後における民法・商法などに関する実務的な能力には個人間に差が見られる。もとより憲法や行政法の知識も重要ではあるが,隣接法律職としての実効性を高めるためには民法や商法のウエイトを高めることが重要である。(行政書士)

●結論から言うと,もう少し民法や商法,行政法の問題数を増やすべきではないでしょうか。税法,戸籍法,住基法が無くなり,諸法令,憲法,行政法,民法,商法が試験の中心になるのは,国民の要請と共に行政書士の能力担保の一助となる試験になるものといえ非常に期待できます。(不明)

●択一式と記述式の割合がどれぐらいになるのかお聞きしたい。できることならば,択一式を増やして欲しい。(不明)

●法令等科目内における出題数の配分の目安も公表していただきたい(熊本県行政書士会)

●従来の合格基準,具体的な出題内容・傾向等についても,大きな変更があることが予想される。そのため,行政書士試験の受験希望者に対して判断材料を提供する上で,より丁寧勝詳細な試験情報の公表が必要と考える。情報不足によって混乱が生じ,数多くの問い合わせや苦情が寄せられることを回避するためにも,他士業試験等を参考とし,試験としての一定の予測可能性を確保すべきである。具体的な出題のイメージ(サンプル問題)を早期に公表することを要望する。(資格試験予備校講師)

総務省回答 46
 法令等科目ごとの出題配分及び択一式と記述式の出題配分は,告示には特段の定めがない事項であり,これについては,センターにおいて,今回の改正案の趣旨を踏まえた検討が適切になされるものと考えます。
 なお,センターでは,今後の告示改正を踏まえた18年度からの行政書士試験の内容を具体化することとなりますが,その概要については,今回寄せられた御意見も参考としつつ,早期の公表を予定しているとしています。

●現在の一般教養試験は,些末な知識を問う出題が見受けられ,公務員試験でいう「行政学」や「財政学」で問われるレベルの問題が出題される等,出題の趣旨・理由からかけ離れている状況にある。よって,特に「政治・経済・社会」の出題にあたっては,あくまでも「一般」知識等であること,また,何よりも出題の趣旨・理由に留意し,年号等の些末な知識や,一般的な新聞・ニュースで得ることのできない専門科目のレベルでの知識を問う問題を出題しないことを要望する。(資格試験予備校講師)

総務省回答 47
 今後の告示改正を踏まえた具体的な出題については,今後,センターにおいて検討されることとなりますが,一般知識等科目における具体的な出題については,センターにおいて,従前の一般教養科目の出題への批判的な御意見も十分に踏まえつつ適切な検討が行われるものと考えています。

●記述式については,1問ごとの字数を20字以内程度にすることを求めます。現行の記述式は,単純知識で正答できることや正確に筆記しなければならないという制約があることから,受験者に暗記を重視させる状況を招いてしまっています。法律的素養を試すならば,単なる字句や専門用語にとどまらず,複数の語句から成る法的概念ないし一定の法的文章を記述させるよう,20字以内程度の設問とすることを提案いたします。なお,記述式の出題数を1〜2問に削減し,50字以内程度の簡潔な論述をさせることも一考かと存じます。(資格試験予備校)

●法令等については,択一式と記述式(ただし,400字くらいの作文),行政書士の業務に関連する一般知識等については,択一式でよいと考えます。(行政書士)

●短文方式の記述問題での出題を期待する。定義問題でも結構。これにより,択一とは異なった一面を見ることができるからである。これができないならば,現行の記述式の配分点を低くすること。(行政書士)

総務省回答 48
 具体的な出題については,センターにおいて検討されることとなりますが,今回の改正案の趣旨を踏まえ,択一式,記述式を通じ,々な角度から法的思考力等を問う出題がなされることが想定されるものです。センターとしても,受験者の負担や受験年度間の公平性の確保にも配慮しながら,記述式についての出題のあり方について可能な範囲での見直しを検討しているところです。

●没問(受験生全員が正解になってしまう問題)があまりにも多いことは非常に反省していただきたい。この試験制度自体の存続に関わる問題であるからである。また受験生に対しても大変な侮辱でもあるからである。(行政書士)

総務省回答 49
 出題ミスは,試験の信頼性を失いかねないもので,深刻な課題であると考えております。センターでは,事前確認の更なる徹底などの出題ミス対策の強化を行っているところと承知していますが,総務省としても,対策に万全を尽くすようセンターに対し要請しているところです。

25 その他

●今回の試験はとりあえず今まで通りの「法令簡単,一般教難関」な試験のままでいてください。この試験対策で国語と数学を重視してそのためだけに勉強をしているのでここで変えられると困ります。本当に真剣に行政書士になりたくてくだらない試験用の対策をしているので今年はこのままでいてください。(不明)

総務省回答 50
 今回の改正案は,平成18年度に実施する試験から適用されるものです。

●行政書士を隣接法律専門職種と位置付けるなら,それに相応しい試験を実施すべきであるところ,現行試験制度ないし改正案はあれもこれも出題して受験生に負担を掛けているだけでなく,いたずらに受験生を混乱させているように思えてなりません。むしろ受験生の要領の良し悪しを判定する試験に終止しています。事実,現職の行政書士が職務上の請求書を不正使用して他人の戸籍や住民票等を取得するケースが後を絶ちませんが,こういった不祥事が起きる背景には試験制度の悪しき面が色濃く反映しているものと考えられます。この度の試験制度改正を機会に,総務省が多くのパブリックコメントを真摯に受け止め,改善策を行ってくれるよう切に願います。(団体職員)

総務省回答 51
 今回の改正案では,法令等科目,一般知識等科目ともに,出題範囲の限定や明確化を行うことにより,受験者は各出題分野についての習熟を一層図ることが可能になると考えられることから,受験者の行政書士の業務に関し必要な知識及び能力をより判定しやすくなるものと考えています。

●「行政書士試験の施行に関する定め」の出題範囲に入っていないものは,行政書士業務に関連しないとの法解釈になると思いますがいかがですか。(行政書士)

総務省回答 52
 「行政書士試験の施行に関する定め」における試験科目は,行政書士試験において出題される法令等を規定するものであり,行政書士の業務範囲が,掲げられた法令に関連する業務のみに限定されることを意味するものではありません。

●戸籍法や行政書士法,税法等の削除された分野を一般知識の領域から出題するという案につき,反対致します。本来法令なのですから,あくまで法令の問題として出題するのが望ましいと思うのです。法令に関して一般知識から出題してもよいという先例をつくることにより,「行政書士の業務に関し必要な法令等」と「行政書士の業務に関連する一般知識等」の区分があいまいになってしまうと思うのです。一旦それを認めれば憲法でも商法でも民法でも,一般知識として出題しうるという理解が可能です。これは極めて危険な行為だと思います。(個人)

●改正案で削除することとなっている法令等について,「政治・経済・社会」「情報通信・個人情報保護」の分野において,関連する知識を問う出題がなされうるとなっているが,あいまいであり,受験者に過大な負担となりはしまいか。(重要な改正等がない限り)基本的には出題されないものとし,貴庁の考え方として公表して頂きたい。(熊本県行政書士会)

●行政書士法,戸籍法,住民基本台帳法,労働法,税法を削除して「政治・経済・社会」又は「情報通信・個人情報保護」の分野から出題がなされるとありますが,総務省の改正案は理解しがたいと言わざるを得ません。受験生は総務省の小手先だけの改正案に誤魔化されているのではないかと疑ってしまいます。削除すると言っておきながら,政治経済や情報通信分野で出題するとあるのですから,理解しがたいと述べたのです。現行制度で個々の出題法令を政治経済や情報通信の分野に押し込んだ印象を受けました。「行政書士の業務に関連する一般知識等」14問中,削除の対象になっている行政書士法以下の法令は具体的に何問出題されるのか明らかにされたい。(団体職員)

総務省回答 53
 今回の改正案では,より一層法的思考力等を問うこととすべくその判定になじみやすい基本法を中心に出題法令の限定を行うことにより,行政書士法(行政書士法施行規則を含む。),戸籍法,住民基本台帳法,労働法及び税法が削除されるものであり,これらの法令等が,従来の出題範囲・形式のまま出題されることはありません。
 ただし,これは上記の法令に関連した出題までが一切なされないことを意味するものではなく,例えば最近の税制改正の内容を問う出題を「政治・経済・社会」科目から行うなど,一般的な知識を超えない範囲内において,削除される法令に関わりのある出題がなされることはあり得るものです。具体的な出題については,行政書士の業務との関連性や社会経済情勢の動向等も斟酌しつつ,センターにおいて検討がされることとなります。
 なお,「行政書士の業務に関連する一般知識等」科目において,例えば法令の解釈等法令に関する思考力を問うことを主眼とした出題はできないものと考えます。

●「現行試験に対する各方面からの意見も踏まえ検討を行い」とありますが,具体的にどの方面からの意見なのか,意見公表時に明示いただきたくお願い申し上げます。(個人)

総務省回答 54
 今回の検討に当たっては,センターに対するヒアリングのほか,過去総務省に寄せられた受験者等の意見等を参考としつつ,行政書士の隣接法律専門職種としての位置付けや電磁的記録の作成が新たに行政書士の業務に加わったこと等を踏まえ,総務省において改正案を作成したものです。

●改正の概要案及び新旧対照表の内容について,賛成するとともに,以下に意見を申し述べます。
今般の司法制度改革の中で行政事件訴訟法が改正され,国民の救済範囲の拡大や審理の充実・促進,仮の救済制度の拡充,行政訴訟を利用しやすく分かりやすくするための仕組みが盛り込まれました。この制度改革を実効性のあるものにするためには,訴訟代理の専門家である弁護士はもちろんのこと,「行政と国民の架け橋」として行政及び国民双方に対して重要な役割を担ってきた行政書士が果たすべき社会的責任は,今後非常に重要になるものと考えます。
 また,政府の行政改革方針により行政効率化の推進が図られ,国や自治体による許認可が減少されており,民民間の自主的な取り決め(契約)が重視され,事前規制型から事後救済型社会への変革が進められています。その中で,「権利義務又は事実証明に関する書類」として契約書作成代理等を業とする行政書士は,コンサルタント的な業務を含め,国民や企業の利便に資するため,より一層の資質向上が望まれています。このような社会情勢と国民の権利意識の変化による行政書士の役割の増大に伴い,今般の改正の概要案が示されたものと思料します。出題数及び試験時間の増加並びに法令に関する理解力や思考力等の法律的素養を一層問う出題形式等に関し,今後も継続的に見直しを含めた検討を進めていただくことを期待します。(日本行政書士会連合会)

総務省回答 55
 今回の改正案は,社会情勢の複雑・多様化,高度情報通信社会の進展,司法制度改革などの変革にともない,行政書士に求められる役割が変化しつつあることを受け,行政書士試験の見直しを行うものです。今後の試験の施行状況,行政書士の役割や行政書士制度の変化を踏まえ,関係各方面からの御意見も参考としながら,必要に応じ行政書士試験の見直しを行うべきことは言うまでもありません。

●資格の専門性の根拠となる試験の内容等について,司法書士法や社会保険労務士法,税理士法等,他の隣接法律専門職の法律には当該資格試験の方法及び内容が規定されていますが,行政書士法には規定されていません。本会では,平成17年4月の理事会で決定した行政書士法改正に関する要望項目として,他の隣接法律専門職と同様,行政書士試験の方法及び内容を行政書士法に規定していただくことをあげていますので,この旨申し添えます。(日本行政書士会連合会)

総務省回答 56
 行政書士試験の試験科目については,平成11年の地方分権一括法にともない国が定めることとされ,迅速な見直しの観点から,自治大臣(現総務大臣)の告示とされたものです。御意見の実現には法律改正が必要となりますが,今回は早急な見直しを望む意見も強いことから,現行法に基づいた対応としたいと考えます。

●他の国家資格試験合格者に対して,一般教養科目を免除した特例試験を用意するべき。全く目的も科目も異にする他の国家資格試験の合格者が,行政書士試験を免除されるとすれば,増大する行政書士業務の能力担保にならない。原則として行政書士試験合格者が行政書士となるべき制度であるからには,有資格者であっても「行政書士試験を受験しよう」と考える者を増やす措置はあるべきと考える。(行政書士)

●専門家としての位置づけから,今回,試験科目を見直したのだから,弁護士以外の士業・公務員に関しても,科目の一部免除(試験科目の重複科目のみ)を導入し,無試験での資格付与を無くすべきである。(行政書士)

●現在のように他の一定資格を取得していれば登録でなれるのは不思議で仕方ありません。仮になれるとしても弁護士だけで充分だと思います。他資格には行政法の試験もありません。実際の行政書士業務は非常に高度な判断が要求されるにも拘わらず,現在の行政書士法では他資格の付随資格と見られてしまいがちです。(行政書士)

●公務員20年生の特認措置の廃止を検討願います。試験内容が高度化している現在,この特認措置は現役行政書士にとっても,行政書士試験受験者にとっても理解に苦しむ制度です。ましてや一般市民の方々にとっては公務員の厚遇措置としか捉えないと思われます。(個人)

総務省回答 57
 行政事務経験者等の資格要件は法律事項(行政書士法第2条第2号から第6号まで)となっており,いただいた御意見は今回の改正案に直接関係するものではないものと思われますが,行政書士の資格についての御意見として承り,今後の施策の推進に当たり参考とさせて頂きたいと考えます

26 その他の提言

●現在の行政書士は,行政に関する手続きの専門家としてだけではなく私人間の契約書作成等の専門家,あるいは隣接法律専門職種としての役割がますます増大してきています。このことは,実務にあたる者として,強烈に実感するところであります。この状況から鑑みますに,国民一般に対してこの資格制度の普及と正しい理解を求める観点から,もはや”行政書士”という名称は適当ではないのではないでしょうか?「業務分野が多岐にわたり特定されない」という特性と,司法書士とは別制度であることを明確にするためにも,”総務士”等の名称へ変更されることが望ましいと考えます。(行政書士)

●業務範囲を定めた法の侵犯行為が今後も改められないようであれば,業務独占国家資格という地位そのものにも検討の余地があるのでないかと思われる。(司法書士)

●次の3点もぜひ検討してください。よろしくお願いします。@行政書士にADR代理権を付与する。A行政書士を行政不服審査法や行政手続法上の代理人として認める。B上記@,Aを実現するため,行政書士の研修を義務化する。(行政書士)

●入会前(登録時)の研修も必要と考える。入会後の業務実績が皆無の会員もあり,特に認定者の中には,無職では世間体が悪いので登録したとの話もあり,登録前の研修を義務付けるよう,運用改善を図られたい。(行政書士)

●貴庁(総務省・旧自治省)におかれましては,従来行政書士法は議員立法であることから,法改正に必ずしも積極的には関与してこられなかったと存じますが,今度の改正を機に,今後行政書士制度の改善や充実に必要・有用と考えられる法改正等には,是非積極的に取り組んでいただくようお願いしたい。(熊本県行政書士会)

●行政書士による戸籍謄本等の不正取得という不祥事も発生しています。当会としても,講習会の開催や資料の提供等によりこれらの法令に対する会員の理解及び倫理の向上,それから既存の会員の資質・能力の向上にも一層努めて参りたいと存じますが,貴庁におかれましても,各行政書士会によるこのような取組を支援していただくようお願いしたい。(熊本県行政書士会)

総務省回答 58
 いただいた御意見は,行政書士試験に直接関係するものではないと思われますが,行政書士制度に対する御意見として承り,今後の施策の推進に当たり参考とさせていただきたいと考えます。

以上



★ 私 見  行政書士制度の発展のために

 ご覧のように,数多くの建設的な意見が寄せられています。

 * 実は,私も,司法書士試験を教訓として,行政書士法は法令科目として少なくも1題は出題されるべきであること,記述式の問題点のほか,業務者のための資格試験であるところ,試験委員を大学教授またはこれに準ずる者に限定し,実務家の参加を予定しない現行総務省令の問題点等を提起していましたが,上記のとおり集約された回答を頂戴することになりました。

 けれども,総務省は原案を何らの修正をすることなく,そのまま強行しました。必ずしも質疑応答を条件としないパブリック・コメントの限界です。
 そうはいっても,今年からの行政書士試験に対する総務省の概括的な考え方が公に示された点は,従来なかったことであり,大いに評価すべきでしょう。

 ともあれ,この大枠の中で,センターの試験委員の先生方により問題が作られることになりますが,「より一層法的思考力等を問うこととすべく,その判定になじみやすい基本法を中心に出題」というスローガンの下,公務員試験や司法試験酷似のいわば「ふるいにかける問題」にならないことを切に祈念します。
 公務員試験や司法試験等は事後に公費による充実した研修が予定されている採用試験であるところ,行政書士試験は業務に携わるための純然たる資格試験であって,合格後はすべて自己責任において業務を遂行するものであり,その入口に過度に高度なハードルを設けることは,有能な者のこの分野への進出を当初から阻むおそれなしとしないからです。


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Last updated :JAN 10, 2006 by HMQ