■ 内容証明の書き方
内容証明の中味それ自体は,普通の手紙ですから,どなたでもお書きになれます。ただ,前述しましたように,内容証明は,日本郵政公社(郵便局)が手紙の発送日,記載内容を差出人が作成した謄本によって証明する制度ですから,その書き方にはいくつかの約束があります。
(1) 用紙・筆記具等
用紙や筆記具等の制限はありません。
ですから,便箋に手書きしたり,コピー用紙にパソコンでプリントアウトすることもできます。
ただ,手書きの場合には,鉛筆ではなく,万年筆やボールペンなどで書いてください。
なお,記入例付の内容証明書用紙が市販されていますので,これを利用されるのもよいでしょう。
(2) 字数・行数
字数・行数には制限があり,「26行以内・1行20字以内」と定められています。
この範囲内であれば,25行,1行15字であろうと,縦書き・横書きも自由(縦横の混在も可能)です。
(3) 作成枚数
内容証明は,通常の場合,まず相手方に送る分,郵便局保管用,自分の控用の計3通を作らなければなりません。それぞれは,コピーでも,同じ内容のプリンアウトであってもかまいません。
(4) 使える文字
内容証明で使える文字は,原則として「漢字・仮名・数字」のみです。ただし英字を用いた固有名詞(例えば商品名,クルマの形式)の場合は許されます。
なお,括弧(「 」,『 』,〔 〕)や句読点(,。),一般的な記号(+,%)などは使えますが,これらも1字として数えます。
(5) 訂正・修正
書き間違いを訂正することはもちろん可能です。
やり方は,訂正したり削除したりした文字も判読できるようにし,該当簡所の上欄に「3字訂正1字加人」のように書いて,そこに印を押します。
でも, 訂正箇所がたくさんあると目立ちますので,書き直された方がよいでしょう。
(6) 年月日・住所・氏名の記載
文書中に必ず年月日,住所,氏名を記します。
通常,縦書きの場合は文書の最後に,年月日,差出人の住所・氏名,受取人の住所・氏名の順,
横書きの場合は文書の最初に,年月日,受取人の住所・氏名,差出人の住所・氏名の順になります。
(7) 捺 印
差出人の氏名の下(横書きの場合は氏名の右)に捺印するのが通例となっています。
印鑑は実印でなくても,認印,三文判でもかまいません。
(8) 封 筒
現金書留の場合のように専用の封筒はありませんので,普通の手紙の封筒でかまいません。
表側に受取人の住所・氏名,裏側に差出人の住所・氏名を書きますが,封筒の住所・氏名は,本文に書いた住所・氏名と同一でなければなりません。2人の連名で出すときは,裏側に2人の住所・氏名を書きます。書き上げた封筒は封をしないで郵便局に持参します。
■ 内容証明の出し方
(1) 取扱郵便局
内容証明郵便は,集配局および地方郵政局長が指走した集配局に限って取り扱うことになっています。
大きな郵便局ならまず大丈夫ですが,お近くの郵便局が取り扱っているかどうかを電話などで確認された上でお出掛けになることをおすすめします。
(2) 出し方
郵便局の窓口に,同文の内証文書3通と封筒1通を提出され,「これを内容証明郵便にして,配達証明をつけてください。」と申し出られたら,それでOKです。
なお,窓口の担当者から訂正を指摘された場合に備えて,内容文書に押印された印鑑を持参されるのがよいでしょう。
(3) 料 金
普通の内容証明を1通出すときの料金は次のとおりです。
証明料 420円 (2枚目以降は1枚当たり250円を加算)
郵便料金 800円 (普通郵便料80円+書留料420円+配達証明料300円→切手)
速達郵便料金 270円 (速達で出す場合のみ→切手)
■ 中味は?
以上は,形式的な事項ですが,問題となるのはその中味です。
一般的なスタイルとしては,通知書・催告書などのタイトルを前置して,差出人と相手方の間に存在する事実関係を明示し,これに対する差出人の法律的な主張や要求を展開した上で,相手方に対応可能な相当期間を付与し,不誠実な対応には法的な実力行使も辞さない旨の宣言ということになりましょうか。
もっとも,冒頭のタイトルは多分に好みの問題ですし,末尾の法的実力行使の宣言は相手方によってはかえって逆効果になってしまい,脅迫や強要罪を持ち出されたなど新たなトラブルを発生させたりしますので,余り強い調子の文言は禁物です。
なお,初めて内容証明をご自分で出されようとする方は,書店で内容証明の例文集を購入され,これをご自分のケースにアレンジされることになりますが,事実関係や法律関係は微妙に異なりますので,アレンジされる場合には細心の注意を払われる必要があります。